2007年03月03日

「でもどうして大切という字は大きく切ないのかな」

昔、そんな歌を歌ってた人が居ますね。
あ、タイトルと今日の話題は全く関係ないのであしからず。


2月18日に観劇した花組さんの大劇場公演のお話です。
今回の作品も芝居とショーの2本立て。
芝居は「明智小五郎の事件簿」脚本・演出 木村信司 氏
ショーは「TUXED JAZZ」演出は荻田浩一 氏。
おさ(春野寿美礼)さん&あやね(桜乃彩音)コンビになってから大劇場2本目やね。

観劇してから2週間も経って今さら何言うてるねん!と自分でも突っ込みを入れたいところですが、
どうしても今日中に書いておきたいので今さらだけど書きます。
あ、いつものことですが、芝居の方の話ね。




【木村氏の演出】

今までの木村作品って全体が歌で綴られていてセリフの部分が少ないものが多かった。
「鳳凰伝」も「王家に捧ぐ歌」も「スサノオ」も「炎に口づけを」も「暁のローマ」も…。
挙げようと思えばまだまだ出てくるぞ。
冒頭から作品の中のほとんどを歌で表現してるのって、慣れてしまうと平気やけど、
慣れるまでは見てて芝居に入りにくいねんな。
その点、今回作品は他の作品に比べて歌が少なく、逆にセリフや会話で表現されている部分が
多かったので、物語の世界にスッと入れた。

演出で面白かったのが同じメロディを違う人間に違う詞で歌わせていたところ。
おんなじ曲やのに、歌う人が変わると置かれている状況も言葉も違う。
伝えたい想いも、伝わる想いも違う。
曲が同じだけに、余計にそれぞれの状況の違いがくっきり現れて切なかった。

物語のラスト近くでね。
潤ちゃん(真飛聖さん)と早苗(野々すみ花さん)カップルと明智・黒蜥蜴カップルが
おんなじ曲を歌うんだよ。
どちらも同じ「これから罪を償うために時間を費やす」者とそれを「待つ」者。
なのに結末はあんなにも違ってしまう。
明らかに対比として描かれてる二組がね、ほんと切なかった。

あと、舞台の使い方も面白かったよ。
舞台の奥行きを使って、部屋の1階と2階を表したり、船の内と外を表現したり。
盆を少しだけ動かして正面から見せてた部屋のセットを斜めに止めて見せてたのも新鮮だったな。



物語の中心にある問題がね、大きなものじゃなくて、個人的な問題やねん。
国と国との争いの話じゃない。神話でもない。宗教対立でもない。
だからね、何が良いかって、見終わった後に罪悪感を感じないんですよ、この作品は。
事件としてたくさんの人を巻き込んではいるけれど、その真ん中に描かれているのは
あくまで黒蜥蜴と明智の個人的な問題。
人対人のパーソナルな問題やから、逆に描かれている世界を身近に感じることが出来たし、
だからこそ切なさを自分のモノとして感じることが出来た。

他にも単調な曲が少なくてどの曲もメロディが綺麗だった、とか、
舞台の上に乗ってる人数が大勢じゃなかった、とか。
今まで持ってた木村氏の作品の印象とは大きく違う作品だったなぁ。



【黒蜥蜴】…桜乃彩音さん

すごいよね。こんなに短い間に、人ってこんなに変われるんやなってびっくりした。
並大抵の努力じゃこうは変われないよな。彩音ちゃん、頑張ったんやなぁ(/_;)。

声のトーン、喋り方、しぐさ、歩き方、立ち方。
とにかく全てが今までの彼女とちゃうねん。
背中の黒蜥蜴の刺青がドキッとするほど色っぽくてね。ほんとびっくりした。
歌もめっちゃ上手くなってるし。
それでも時々、いつもの「かわいい彩音ちゃん」が出てくるところが可愛かったね。
さそり役のとしこ(鈴懸三由岐)さんに命令してるのは見てるこっちが緊張した。
おいおいおい…上級生に偉そうな口きいてるよ、この子…って(笑)。

「潤ちゃん…死ぬんだ。」あのセリフ、かっこよかったな〜。


【明智小五郎】…春野寿美礼さん

変装した3つの役の芝居も、歌も。全部よかったよ。おさ(春野)さん。
落ち着いた大人の役。彩音ちゃんを包み込む大きな空気。さすがだなって思った。
甲斐氏のゆっくりした曲とおささんの伸びやかで切ない声がよく合ってた。

最後の場面。彼女を失ってからの明智。
あの時の彼にあるのは絶望だけだったね。
絶望のあまり、この人、ここで消えてしまうんじゃないかってくらいだった。
おささん、悲しみで壊れてしまいそうやったもん。
「こんな結末も見抜けなくて何が才能だ…」って泣いてんの。かわいそうだった。
あれほどの絶望だと周りの人間にはどうしてあげることも出来ないよね。
軽々しく声も掛けられない。それくらい絶望のどん底に居るように見えた。

でもそこで終わらないのがこの作品のいいところやと思う。
どのくらいの時間が必要だったのかはわからない。
彼の中でどれほどの苦悩があったのか、計り知れない。
でも、確かに何かが彼の中で変化して、彼女への想いをしっかり胸に抱きながら生きていくことを
決意するところまでが描かれている。
それがまた余計に切ないんやけどね。
苦しみを胸に秘めたまま、でもそれを忘れようとするんじゃなくて
大切にしながら生きていくんだろうな、想像できるところがね。切なかった。



***


おささんの歌を1本でも多く生で聴いておきたくて決めたこの作品の観劇。
なのに友の会もぴあのプレリザーブも全敗。
最後の望みを懸けて申し込んだWOWOWの貸切公演で手元にやってきたチケットはA席。
もうねぇ、行く前はテンション下がっちゃってね。
「もっと近くで見たかったのにぃ…」って気持ちが大きかった。
でも見終わった後は「席が前だろうが後ろだろうが関係ないやん」って感じやったね。
(A席のチケットが来たときっていつもこんなこと言ってる気がするけど(汗))
あの人たちは、前の席の人にも、後ろの方の人にも、ちゃんと届くように演じてるわ。


見終わってからどうしてももう一回見たくて、翌日にチケット取った。
決算明けだからしんどいかなとか、芝居見る気分的な余裕あるかな、とか思ったけど、
今見とかないと後悔しそうやから。


明日は2度目の観劇やからね。
もうちょっと落ち着いて見れるといいな。




posted by あーる at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 宝塚歌劇 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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